実家の終活は失敗が多い？ケースごとの解決策を紹介

生前整理や就活について耳にする機会が増えているものの、いつ親がやる気を出してくれるのかわからずやきもきしている人もいるのではないでしょうか。終活は子供側だけがやる気を出してできるものではありません。親も重い腰を上げて「片付けたい！」と思うことで、やっと終活がスタートします。ただ、注意しなくてはいけないのが、実家の終活は失敗が多く、なかには汚部屋の原因になってしまう可能性もあることです。実家の終活でどんな失敗があるのか、詳しくお話していきたいと思います。

親の家で違和感を覚えたタイミングが片付け時

自分も50代など中年の年代になってくると、両親も80歳前後になってきます。周囲の人からも「生前整理は早めにしといたほうがいいよ～」なんてアドバイスをもらいつつも、どのタイミングで両親に切り出したらいいのか、迷ってしまうものだと思います。そもそも実家の片付けをスタートさせるには、なにかしらのきっかけもあるものです。実家を出て時間も経つと、お互いの自立した生活もあるので、口出ししにくいものです。

終活を始めるタイミングとして、お正月やお盆などで返ったときに「違和感」を覚えたときが始めどきです。子どもの立場だからこそ、親の異変にも気づきやすいはずです。

・いつもはきれいにしているはずの玄関や居間が汚れている
・冷蔵庫のなかに賞味期限切れの食材がたくさんある
・捨てられないゴミ袋が置きっぱなしになっている

など、今までと明らかに違う点もあります。電話で連絡をとっていてもわかりにくく、親が高齢で体が動かなくなっている可能性も考えられます。例えば認知症の初期症状であれば、会話をしていても気付きにくく、不用品かどうかの見極めができなくなっている可能性もあります。一人で生活していると、認知症が進行してもわかりにくいので、感じた異変をそのままにしないようにしてくださいね。

実家で終活が失敗しやすい原因と解決方法

実家で終活をしようと思っても、どうにもうまくいかずに諦めたなんて話を耳にすることもあります。終活は比較的新しい文化であること、またいくら親でもそれぞれ違う意見を持った人間であることを、認識することも必要です。どんなケースの失敗が多いのか、詳しく紹介したいと思います。

・納得していない終活はリバウンドの原因になる

無理に実家を片付けるなど、親との間で終活の重要性が共有されていないケースもあります。子供に説得されたから片付けたものの、実は終活なんてやりたくなかった…なんてケースだと、一時的に部屋が片付いたとしても、あっという間に元に戻ってしまいます。むしろ、片付ける前よりもひどい状態になってしまったなんてケースも。リバウンドまで考えて片付けをしないと、汚部屋やゴミ屋敷になってしまうこともあるのです。

【対策】

焦らず、親が納得してから終活を始めることです。どうして終活が必要なのかをしっかりと伝えるようにしましょう。時間がかかってもいいので、納得してもらえないと終活の意味もなくなってしまいます。また親が片付けたい気持ちになったときは、すぐに取りかかれるように、業者なども事前に探しておくと安心です。

・親子関係の悪化や断絶になる

終活について、子どものほうが考えて動くケースが多いのではないでしょうか。親世代のなかには、自分の親のときは終活なんてやっていないからと、ネガティブな気持ちを持ってしまうこともあります。自分のものを捨てられるのでは…？と考えると、余計に否定的な考え方になってしまうことも少なくありません。子ども側が焦って進めようとすると、なかには親子の関係に傷がついてしまうこともあり、最悪のケースでは断絶にもなりかねません。

【対策】

親が終活したいと思わせること。子供側の焦りが伝わると不快感を覚えてしまうので、帰省したタイミングなどでさり気なく伝えるようにします。また、物に対して執着があるときは、寄付など捨てる以外の方法を伝えるようにしてください。まだ使ってくれる人に譲るであれば、親世代も納得してくれます。

・先延ばしで片付けが進まない

終活で部屋の中を片付けたいと思っていても、つい先延ばしにしてしまうケースも少なくありません。大抵の場合は、もう少し先でも大丈夫と自分の体力や気力を過信してしまいがちです。まだまだ元気なので一人でも十分にやっていける！と思っていたら、あっという間に認知症が進んで片付けができなくなっていたなんてケースも。年々体が動かなくなっていくのは、親だけでなくあなた自身も同じことです。片付けの先伸ばしで片付かず、状況がひどくなるケースも多くあります。